和菓子屋で人気の季節メニュー~春~

目次

春になり温かくなると人足も増えてきます。桜も咲き出して、和菓子をお供にお花見を…という人も多いと思います。また春はその他の行事も多くあり、昔から行事ごとを大切にしてきた日本人にとっては春の和菓子は欠かせません。

ここではどんな和菓子が人気なのか、どんなものを取り入れればお客様の心を掴むのか、春のメニューを考えるヒントなどをお伝えしていきます。

1) 押さえておきたい!春の和菓子 定番人気メニュー

まずは「春と言えばこれ!」という定番メニューは揃えておきましょう。桜が咲き出して、お店に並んでいるとつい買ってしまいたくなるのはどんな和菓子でしょうか。

1桜餅

写真参照:http://daily-life-info.com/%E7%94%9F%E6%B4%BB/176/

春になると食べたくなるのはやはり桜餅ですよね。ピンク色のデザインとそれを包む桜の葉、その香りは満開に咲く桜を連想させます。

桜餅には道明寺粉というもち米を使って作られた関西風のものと、小麦粉などで作られた薄いクレープ生地を巻いて作られた関東風のものの2つが主流です。関西風の桜餅は「道明寺」、関東風の桜餅は「長命寺」と呼ばれ、地域によって親しまれる種類は違います。

最近では好みで選べるようどちらの桜餅も販売している和菓子屋が増えてきているようです。

2お花見団子

写真参照:http://ratta0401.blog87.fc2.com/blog-entry-329.html

お花見に持っていきたい和菓子と言えば3色団子ですね。ピンク、白、緑の3色をした小ぶりな団子は春らしさがあり、食べやすいのでお花見にはぴったりです。

飽きが来ないよう、子供に人気のみたらしや年配の方に人気のよもぎあんの団子を置くのもいいですね。種類があれば大勢で囲んだ際もそれぞれ好みで好きなものを選べます。

3草餅

写真参照:https://www.tamachi-baigetsu.co.jp/confectionery/kisetsu/ki015.html

旬のよもぎの強い香りが堪能できる和菓子は春ならでは。よもぎをたっぷり練り込んだ餅生地にこしあんや粒あんを包んで食べる草餅は、桜餅と並んで春の人気定番メニューです。

4うぐいす餅

写真参照:https://tomiz.com/recipe/pro/detail/o-se-200702a-01

うぐいすをモチーフに作られたうぐいす餅も春の定番メニュー。きな粉のほかに、青大豆を挽いた青きな粉をまぶしたものも多くあります。春らしいふんわりとした緑の色合いが店内の春らしさをぐっとアップさせます。

5苺大福

写真参照:http://segawa-21.com/news/post.html

苺大福も春ならではの商品ですね。白い餅だけではなく、よもぎを練り込んだ餅、果汁を練り込んだピンク色の餅にする、また中のあんこを白あんや苺あんにするなど、バリエーションも多種多様です。

2) 春の伝統行事に合わせた人気商品

写真参照:http://www.kashinmaruichi.co.jp/commodity/details/83.html

春の代表的なイベントと言えば“桃の節句”と“端午の節句”です。やはりこの2つの行事にも古くから和菓子は付き物。用意しておきたい和菓子には次のようなものがあります。

1ひし餅

ひな祭りと言えばピンク、白、緑が重なった菱形状の餅菓子ですね。普通のひし餅でもいいですが、素材を変えるのもありです。例えば羊羹とふんわりとした軽羹を重ねるなどすると食べやすくなり、一味違ったひし餅になりますね。生菓子のデザインとしても活用できます。

2柏餅

定番中の定番ですが、こちらも毎年買っていかれる方が多い商品の一つです。柏の葉の香りが春を感じさせます。

3粽

粽も端午の節句では定番の和菓子です。しろい餅生地のもの、よもぎを使った生地のもの、また葛を使用して作った粽などもあるようです。

3) 春の花で考える生菓子メニュー

写真参照:http://www.fukanote.jp/2013/10/blog-post.html

上生菓子は和菓子屋の顔とも言えます。練り切りや求肥、饅頭など、小ぶりで上品な生菓子は春のお茶席には欠かせません。特にその季節に咲く花を表すことが多い生菓子。春に咲く花が何かを考え、どのようにそれを和菓子で表現できるかを考えましょう。

例えば桜であれば、桜きんとん。

ピンク色のきんとんで小さな花をたくさんつける桜を表現し、部分的に黄緑色のきんとんをあしらうことで新芽・新緑を表します。

薄紫色で作ったきんとんならば藤の花を連想させますね。

あやめやすみれなどは上品な紫色に黄色をワンポイントに入れたあんで茶巾絞りに。

小さな花をつける桜や藤の花と違ってきりっとした一輪咲きのイメージが伝わります。

4) オリジナルの商品でお店のカラーを出す

写真参照:http://ns.tadashichi.com/drink/sakuratya.html

オリジナルメニューを考える際は桜あんや抹茶あんを使うのがおすすめです。最中、どら焼き、饅頭、大福など、オーソドックスな定番商品に取り入れれば一気に春らしさが増した商品になります。

春を感じさせる可愛いデザインも大切です。

例えば最中の皮を桜色にする、どら焼きの記事にも抹茶を練り込む、饅頭に桜の焼き印を押す、桜の花の塩漬けをあしらう…

少しの工夫で色鮮やかに、見た人の心を引きつけます。

5)和菓子屋で人気の季節メニューまとめ

お花見や春の伝統行事に欠かせない定番人気メニューは揃えましょう。買っていかれるお客様が多いだけではなく、店内の雰囲気や香りを一気に春らしくして新規のお客様を増やしてくれます。

季節商品を売り出す際は桜が咲く前、行事よりも前に店頭に出し、貼り紙やポップなどで人目に付きやすくしておく工夫も大切です。

次の年の春も思い出してもらえるような店内と商品を心がけましょう。