和菓子屋で人気の季節メニュー~夏~

目次

夏らしさ、涼しげな雰囲気を感じることができるのは和菓子の良いところではないでしょうか。また見た目だけではなく、暑い食欲の落ちる時期でもさっぱりと食べられるスイーツとして夏の和菓子は人気です。ここではそんな夏の和菓子の人気メニューや季節商品を考えるヒントなどをご紹介します。

1) 夏に欠かせない定番人気メニュー

まずは夏の和菓子の定番をご紹介していきます。夏にはどんなものが好まれるのか、どんな商品が売れるのかを見ていきましょう。

1水羊羹

写真参照:http://kitaya.info/jonama/6.html

咽喉ごしもよく、見た目も涼しい水羊羹は和菓子屋の夏の定番です。生菓子に比べて日持ちもよいため贈り物などに買っていかれるお客様もたくさんいます。

一般的にはこしあんの水羊羹が主流ですが、粒あんや白あん、果汁などを使ってバリエーションが増やせる商品でもあります。

2葛饅頭

写真参照:http://blogs.yahoo.co.jp/minekofujico/17426735.html

あんこを葛で包んだ葛饅頭も夏には人気です。葛は古くから和菓子に使われてきました。半透明のぷるぷるとした見た目がゼリーとは違った上品さを感じさせます。

中に入れるあんこを変えて色目を増やしたり、笹の葉に乗せてディスプレイするなどするとより一層夏らしさを表現できます。

3寒天

写真参照:http://www.shirahagikai.com/rensai/26kyoto.html

寒天も夏の和菓子によく使われる素材の一つです。透き通った見た目が涼しさを演出します。小豆や黒豆なども寒天寄せにすれば一気に夏向けの定番メニューに。

透明度を生かしてフルーツやかたどった羊羹などと一緒に固めれば個性的なオリジナルメニューも多数出来上がります。

4水無月

写真参照:http://www.inoblog48.com/entry/2016/06/04/212436

水無月は“夏越の祓(なごしのはらえ)”という日本の伝統行事にちなんで作られる葛を使った冷菓です。毎年6月30日に、1年の前半の厄払いと、残り半年の無病息災を願って食べられます。氷を表した三角形と、その上にあしらわれた小豆には邪気を払うという意味があるそうです。

夏越の祓は他の伝統行事に比べてあまり知られていませんが、水無月を毎年恒例の和菓子として食べる人は少なくありません。

2) 夏の和菓子メニューの考え方

写真参照:http://ideallife.net/plants/?author=1&paged=6

和菓子は昔から季節の植物や食べ物、行事などと深く関係してきました。夏のお菓子を考える際には、そういった季節感や季節を表すカラーをイメージすると作りやすくなり、お客様にも手に取ってもらいやすくなります。夏と言えばどんなものが頭に浮かぶでしょうか。夏を連想するものからオリジナリティーのある人気メニューを考えましょう。

1朝顔

夏の花と言えば朝顔を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。上品な色合いや落ち着いた日本的な印象は和菓子のモチーフにするのにぴったりです。

2金魚

金魚も涼しげな雰囲気を醸し出すのに良いモチーフです。透明の寒天などに金魚の形に型取った羊羹を浮かべれば可愛らしい夏の和菓子が出来上がります。

3水

清流や水面などは涼しげな夏を連想させます。葛や寒天をうまく使って生菓子や水菓子をより夏らしく仕上げましょう。

4枇杷

枇杷は夏の果実です。果肉を大福やゼリーに使うのもおすすめですし、求肥で黄身あんを包んで枇杷のような生菓子にするのも可愛いですね。

5夏みかん

夏みかんも枇杷と同様、夏の果物ですね。夏みかんの果汁をあんこに混ぜれば夏らしい爽やかな甘さに。寒天と一緒に固めれば和風のゼリーとして贈答用にもぴったりです。

6紫陽花

夏を目前に咲く紫陽花も日本の花として和菓子にはよく使われています。薄紫色のきんとんは小さな花が集まって咲く紫陽花そのもの。小さく角切りにした寒天をところどころにあしらい雨粒を表現すればさらに季節感が増します。

ご紹介したのはほんの一部です。夏を連想させるものはまだまだたくさんあります。

夏の花には他にも芙蓉、桔梗、睡蓮、萩など、また青楓なども生菓子やお干菓子のモチーフとして使えますね。

饅頭に花火の焼き印を押してもいいですね。原価を変えずに夏らしさが感じられる和菓子になります。

3) 七夕をイメージした和菓子

写真参照:http://blog.moxa-beginner.info/?eid=114

夏のイベントと言えば他にも七夕がありますよね。星や星座にちなんだ和菓子も夏ならではの和菓子です。

1生菓子

きんとんや葛饅頭に星形の小さな練り切りを添えるだけでも一気に七夕らしさが出ます。

また金箔を少量つけきらきらした星や天の川を表現するのも上品です。洋菓子にはない落ち着いた華やかさが出ます。

2お干菓子

七夕をイメージしたお干菓子も人気です。星形の落雁や、天の川をイメージした飴細工、金平糖なども夏のお土産として喜ばれます。

色とりどりな星型はポップな印象を与えます。

お茶席などでは避ける方もいるようですが、若い人たちに和菓子に目を向けてもらうには非常に良いモチーフだと言えます。

4) 和菓子屋で人気の季節メニューまとめ

夏によく出るのは涼しさが感じられるお菓子です。冷たくさっぱりと食べられるのは夏の和菓子の魅力とも言えるでしょう。葛や寒天などの透明感のあるものをうまく使って清涼感を出し、暑い時期だからこそ食べたいと思わせる和菓子を作りましょう。